この記事は、第二回目である2024年に開催されたタイマッサージアワードに出場した時の事を書いています。個人の感想ではありますが、今後出場を検討されるセラピストの方の参考になれば幸いです。また、セラピスト以外にもこのような大会がある事を知っていただければと思い記事にしました。
タイマッサージアワードとは
『このイベントで、あなたのタイマッサージは必ず変わります』というキャッチフレーズのもと、業界の活性化やセラピストの技術向上などを目的として開催された大会で、昨年に引き続き今年も東京で行われました。
一回目の昨年は定員30名でしたが、今年は倍の60名での募集でした。昨年の倍の定員数にもかかわらず、たった2、3日ほどで埋まってしまったそうです。
日本のタイマッサージは世界的に見てもレベルが高いと聞きますが、やはりそれは普段の勤勉さと意識の高さからくるものなのかなと感じます。
概要について
「仰向け20分」「横向き15分」「うつ伏せ15分」「座位10分」、合計60分の施術をそれぞれ4人の審査員に行い、その受け感に対して評価を頂きます。その後、5分間のフィードバックを受け、今後の施術に活かし技術の向上を図るというものです。
今大会は順位を競うものではないですが、上位12名(昨年は上位6名)には「ベストセラピスト賞」が授与されます。
審査基準について
「リズム」「強さ」「ストレッチ」「手の感触」「接客(声掛け、コミュニケーション含む)」「姿勢」「流れ」の7項目をそれぞれの体勢で10段階で評価していただきます。
体勢ごとに審査員が変わり、一回一回フィードバックを頂けます。フィードバックはメモや録音が可能なので、それぞれ自分のやり方で記録します。
審査員の先生方は、昨年のベストセラピスト受賞者、他にも大会での受賞歴や実績のある有名人ばかりです。そのような先生方に自分の施術のフィードバックを頂けるというのが今大会の最大の目玉です。
その他のルールなど
時計、クッション(サイズ規定あり)の持ち込みは自由。タオルもOKですが、体に掛けるという使い方はできないので、クッションの代わりか手を施術する際に使います。
タイマッサージアワードに出場してみて
終わってみて思ったのは、「普段通りの施術が出来るのがベスト」でした。
審査員の先生方はそうそうたる顔ぶれなので当然緊張するのですが、下手に変わった技を入れたりするよりも普段通りのカウンセリング(いつもより時間は短いですが)やコミュニケーション、決まった形ではなく相手に合わせたフリーな施術の方が自分らしい力を発揮できるなと思いました。
今回、ガチガチに施術内容を決めて行ったわたしは手順通りに行う事に意識を奪われ、相手に合わせるという一番大事な要素を欠いてしまいました。時間内に収まるよう考えて行ったはずなのに、時間を余らせてしまったり逆に足りなかったりで、当時の自己評価は最低でした。
得点への影響は審査員によると思いますが、時間内にキッチリ終われなくても意外と大丈夫なようで、周りではそれぞれ色んな会話を楽しんでいました。
今振り返ってみても情けないなと思うのですが、当時は「うまく出来なかった」「こんなものだと思われたくない」という悔しさとも恥ずかしさとも分からない感情で胸が押しつぶされるようでした。
私が考える大会に出る事の意味
自身の施術への後悔は大きいですが、改善点が知れた事と大会に至るまでの練習の過程に学びが多かったので、出場した事自体はとても良かったと思っています。
タイマッサージに限らず、色んな業界で大会やコンテストがあると思います。中には中身よりもパフォーマンスが評価される大会もあるかと思いますが、普段の施術と違うからといって切り捨ててしまうのは勿体ないです。
大会に出ると決めたら、まず意識が変わります。その意識が行動を変え、結果的に普段の施術も変わります。これは見学よりも当事者として関わる方が変化が大きいと感じました。当然といえば当然なのですが、自分事だと出せる本気が違うからです。
他にも出場者の方の施術や実力を目の当たりにする事で、やり方を学んだり自分を奮い立たせる事に繋がります。わたしのように実力の差に落ち込む事もあるかもしれませんが、今よりも上達を望むなら通って損はない道だと思います。
以上の理由から、たとえ普段の施術と違うものだとしても得られるものは貴重な経験であり、どのような大会であっても参加する意味はあると強く感じました。
その後の変化
タイマッサージアワード出場にあたり、複数の方に施術を評価していただき、色んな方の施術を受けました。そこから今まで意識の低かった「流れ」や「繋ぎ」を考えるようになり、全体の構成を考えるようになりました。もちろん以前も意識はしていたのですが、大会後はより全体のバランスやメリハリを考えるようになりましたし、フィードバックで自分の強いと弱みがよく分かったので、効きが甘い技はポジションを考え直すなど具体的な行動を取る事ができました。
終わってしばらくは後悔や恥ずかしさで胸がいっぱいでしたが、大変良い経験ができたと思っています。
最後に
タイマッサージには様々な技があり、覚えて出来るようになると本当に楽しいです。しかし、それゆえに目の前のお客様に必要なものを選ばないと独りよがりの施術になってしまいます。自分だけが楽しくて肝心のお客様が置いてきぼりでは、誰の為のタイマッサージなのか分かりません。自身を振り返ると共にそのような自戒の念を込め、これからも真摯にお客様と向き合っていこうと思うキッカケとなるイベントでした。
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この記事を書いた人
【プロフィール】
切明 紗和子/岡山市在住のタイ古式セラピスト
20歳の時の天啓を頼りにリラクゼーション業界に入り十数年。「自分の手で直接できる」「人に温かいものを伝えられる」そんな条件の仕事を探し、エステでも整体でも治療でもないリラクゼーションにたどり着く。最初は苦手だったタイマッサージにご縁を感じるようになり、技術を磨いて苦手を克服し、今では国内の講習やタイでの研修が趣味になるほど大好きに。「頑張っている人が良い状態で本来の力を発揮できるようにサポートしたい」そんな思いで日々、目の前のお客様に向き合っている。毎朝のお祈りは欠かさない。
- 2018年 Chiangmai Classic Art Thai Massage School タイマッサージLevel1、2
- 2018年 Chiangmai Classic Art Thai Massage Schoolトークセンインストラクター
- 2018年 Chiangmai Classic Art Thai Massage School ルーシーダットンインストラクター
- 2021年 International Training Massage School タイマッサージLevel1
- 2022年 バザルト®ストーン ボディセラピスト
- 2022年 バザルト®ストーン フェイシャルセラピスト
- 2022年 バザルト®ストーン ブライダルセラピスト
- 2024年 Chiangmai Classic Art Thai Massage School ジャップセンマッサージ
- 2024年 Ong’s Thai Massage School トークセン
- 2024年 Ong’s Thai Massage School フェイシャルトークセン
- 2024年 Ong’s Thai Massage School パカマーマッサージ